上海に丸一日自由な時間があるなら、ぜひ訪れてほしいのが「東洋のベニス」とも称される水の都・蘇州(そしゅう)です。
今回は「3つの水郷を巡る☆蘇州+木瀆古鎮+西塘夜景散策 1日貸切ツアー」を利用し、
蘇州の名所を1日じっくりと観光してきました。
蘇州ラーメンでお腹を満たした後は、お次はまたまた車で移動して世界遺産の留園に向かいます。
蘇州名物のラーメンで腹ごしらえした後、専用車で約20分移動し、世界遺産「留園(りゅうえん)」に到着です。
まず駐車場のトイレに寄りました。ここのトイレがとてもきれいだったのでおすすめです。

【留園とは?】中国四大名園のひとつ、建築美が主役の庭園
留園は、蘇州にある代表的な古典庭園の一つで、拙政園・網師園・獅子林と並ぶ中国四大名園に数えられています。
拙政園が自然と山水の美を重視しているのに対し、留園は建築物の配置や意匠に重点を置いた贅を尽くした庭園となっています。
最初にこの庭園を築いたのは徐泰時という人物で、その後も複数の芸術家たちが手を加え、現在の姿に至っています。

【見どころ①】石の彫刻で描かれた「庭園絵巻」
入口では、庭園の全体像を示す一枚の「絵」が出迎えてくれます。
実はこの絵、すべてが石でできた精巧な彫刻なのです。近づいて見るとその繊細さに驚かされます。


入り口には多くの人が並んでいました。皆、チケットを購入するためだったのでしょうか。
留園の名の由来についても興味深い話があります。
2代目の所有者は、「劉(りゅう)」という三国志の劉備と同じ名を持つ芸術家でした。3代目の所有者は、名前の中にある「りゅう(留)」という音を残し、同じ字である「留園」と改名したのだそうです。

「長留(ちょうりゅう)」には「永遠に残る」という意味が込められており、その文字が掲げられています。

細い廊下を進んで現れるのが、金木犀(キンモクセイ)と木蓮(ギョクレン)を描いた彫刻、「金玉満堂(きんぎょくまんどう)」という文字が添えられた一角です。

【見どころ②】涵碧山房と幻想的な眺望
大門から涵碧山房へと向かう途中には、「花歩小築(かほしょうちく)」と呼ばれる庭園の原型があり、回廊に囲まれた空間にオブジェが設けられています。

さらに進むと、模様入りの「漏窓(ろうそう)」、模様のない「空窓(くうそう)」など、風景を切り取る額縁のような中国式の窓が随所に現れます。


敷地内を進むと、回廊を抜けた先に「涵碧山房(かんぺきさんぼう)」と呼ばれる建物が現れます。

ここから望む庭園の景色は、水辺に蓮が咲き、浮島が存在する幻想的な光景。

地面には鶴や蓮など縁起の良いモチーフの敷石(鋪地)があしらわれています。

涵碧山房の隣にある明瑟楼の中も家具が置かれています。この建物の扉はすべて窓のようになっていて、全て取り外して庭を見渡せるようになっているようです。

そこからチラッと見えていた東屋に向かいました。
【見どころ③】舒嘯亭(じょしょうてい)と詩の世界
東屋「舒嘯亭」周辺は草木が生い茂り、まるで山の中にいるかのよう。
池のハスや周囲の木々が、漢詩で描かれる理想郷のような世界を現実に表現しています。





舒嘯亭と言われるところです。この辺りは草木が多い茂っていて、実際の山の中にいるようです。池に咲くハスの花や木々の景観が、漢詩で描かれる理想郷を現実に再現したようです。詩の世界を現実の庭に落とし込む——それが留園の大きな魅力の一つのようです。


舒嘯亭から見た涵碧山房は、船の形に見えるよう設計されています。船はかつて富と権力の象徴であり、それを表現しているのだとか。



この窓が最も美しい景色が見える窓だそうです。

【見どころ④】五峰仙館と蘇州絹の絵画
園内最大の建物「五峰仙館」は、客人をもてなすための豪華な建物。
中には蘇州特産の絹に描かれた透ける絵画や、山の形を模した大理石が飾られています。


また、この建物の南には内庭があり、太湖石をふんだんに使った築山が設けられています。
これは「五仙島」を象った縁起の良いデザインで、子供が遊べるように設計された洞窟のような通路も存在していました(現在は通行不可)。



家具の配置にも礼儀作法が反映されており、北側が上座、お客は南から入り、身分に応じて座る場所が決まっていたそうです。西が最低だそうです。

絹の透ける絵画が大変美しい部屋でした。

ここには大理石の有名な品もあります。大理石を絵画に見立てたこちらの掛け物は一般的なサイズですが、


かなり巨大な大理石もありました。そして薄い。これだけの品はなかなかないので、大変貴重なものだそうです。

五峰仙館から奥の方は建物が幾つも建てられていて、その間を回廊が迷路のようにつながっています。その回廊の横にある小庭園も見事ですし、また、回廊に設けられている窓も見事です。



「洞天一碧」と名づけられた空窓です。額縁の中の絵画を見るようです。

この岩の裏側はこのようになっていました。

竹林と石筍(タケノコに似た形の縦長の石)

【見どころ⑤】林泉耆碩の館ー鴛鴦式の男女空間分離と礼節の空間
林泉耆碩の館では、室内が南北に仕切られ、男女や身分によって座る位置が厳密に決められていたとのこと。
家具も南北に配置され、北側が上座という明確な礼儀作法があったそうです。





【見どころ⑥】冠雲峰(かんうんほう)と平台の眺望
庭園のハイライトとも言えるのが、高さ6.5メートルの巨大な太湖石「冠雲峰(かんうんほう)」。

この石は「穴が多く、皺が細かく、透かし彫りのような形」という太湖石の理想を満たすもので、見る角度によってカエル・鷹・亀など縁起の良い姿が浮かび上がると言われています。
そして、この石を最も美しく見られるよう設けられたのが「平台(へいだい)」という展望スポット。
ここは、庭園の主人が最も自慢したかった風景が広がる場所でもあります。
近くには服の役所(官庁)があり、皇帝が訪れる際にこの石を見せるため、元は4枚あったうちの1枚がそこへ移されたという話も残っています。


【建築的特徴】中国庭園の「窓」の世界
留園では、窓一つとっても芸術的です。
– 漏窓(ろうそう):模様入りで通風・採光を兼ねた装飾窓(ガラスなし)
– 花窓:模様にガラスが入った豪華な窓
– 空窓:中がくり抜かれた額縁のような開口部
これらの窓はすべて違うデザインで、歩くたびに風景が切り取られ、まるで絵画を鑑賞しているような体験ができます。

人文景色
歩きながら景色が全部違うということが美しい庭と言われる条件だそうです。確かにどこを見ても違います。









【まとめ】わずか1時間でも大満足!世界遺産の魅力を凝縮
今回は限られた時間の中で急ぎ足の見学となりましたが、1時間でも留園の美と歴史は十分に堪能できました。
この後は、徒歩で10分ほどの場所にある「山塘街」へと向かい、水郷ならではの風情を楽しみました。